ある警察幹部の話2

ある警察幹部の話2 本当にあった事件簿
ある警察幹部の話2
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雨なのに、わざわざ・・

私が、ある警察署の交番勤務の時の話です。

その警察署は、大規模署といって、大きい警察署でした。

地域課のトップは、普通は地域課長になりますが、大きな警察署だと、地域官という役職があります。課長の上で、副署長の下、という位置になります。

この立場の警察官は、だいたいがパワハラをします。

なぜなんでしょうかね?中途半端な立ち位置で、イライラするのでしょうか?まあ どうでもいいですが。

私が居た警察署の地域課にも地域官がいました。勿論パワハラ全開の警察官でした。

交番勤務が終わると、まずは本署の地域課に行きます。そして、当直であった事案や、検挙実績について、地域課長に報告をします。この時に、検挙がゼロの時なんて、それは凄い罵声を浴びせられます。

「交通違反の一つもないのか!?」という具合です。

部下にパワハラをする地域課長でも、パワハラにあっていました。それが、その地域官です。地域課長は、その年で定年を迎える年だったのです。なので年齢なんて、一回りも離れているのに、それはそれは、凄かったですよ。

怒鳴り方が半端ない。

「てめー!定年で退職すれば終わりじゃねーぞっ!覚えておけよ!」

という感じです。間違いなく 警察官のセリフじゃないですよ。

まあ 地域課長もろくでもなかったので、地域課長がパワハラに遭おうが何だろうが、どうでも良かったですけどね。

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ある雨の日の当直

前置きが長くなりましたが、そんな警察署での、ある雨の日の当直勤務でのこと。

雨の日は所外活動をする際、カッパを着用します。制服に傘は見たことがないと思います。

交番勤務員でも、ずるい警察官は、パトロール時間でも外に出ないで、交番に居る警察官も居ます。ダメなんですよ?パトロールの時間は、決まっているので、その時間にパトロールをしていないと、勤務放棄ということになって、始末書です。処分もあります。それでも、外に出ない警察官はいます。

私は、そういうのが嫌いなので、決まったことは嫌でも、ちゃんとやりました。

その日もカッパを着て交番配置のバイクで、パトロールに出かけることにしました。

金融警戒

パトロールの内容は、さて、どうしようかと考えましたが、とりあえずは、管内の銀行を巡回しようと思いました。これを警察内部では金融警戒と呼びます。

雨の日でも、金融機関を回ると、金融機関の方々は、喜んでくれます。

「雨なのに、わざわざ、ありがとうございます!」

と、言ってくれます。こちらからすれば、当たり前のことで、行くだけで喜んでもらえるなんて、それこそやりがいがあります。防犯活動ですから、しっかり目的はあります。

その日もバイクで、とある金融機関に向かいました。

雨で靴が滑ってしまった

張り切って行ったのは、いいんですが、雨が小降りだったことから、長靴を履かずに、普通の革靴で出かけたのです。それが間違いの元でした・・・

金融機関の駐輪場にバイクを止めようとした時です。

「ツルッ!」

足が見事に滑ってしまい、バイクが倒れてしまったのです!

やってしまった・・もうダメだ・・

と思いました。

そんなことでも、本署に報告をしなければなりません。

すぐに報告をして、本署の交通課事故係の警察官に実況見分をしてもらいます。

結果、事故扱いなし、ということになりました。

交番バイク以外の被害はないので、まあ 当たり前です。

バイク自体も、そんなに損傷はなく、少し傷が付いた位でしたので、修理ということもありませんでした。

なので、少しホッとしました。

次の日の当直勤務員への朝礼で、それは言われた

当直の朝には、朝礼があります。

私がバイクを倒した次の日、つまり私が非番に当たる日の朝礼で、前記地域官が、こう言ったそうです。

「昨日、〇〇交番の勤務員が、雨なのに、わざわざバイクに乗って、わざわざ金融警戒に出かけて、わざわざバイクを倒したという事案があった。」

って。金融機関の方が言う「わざわざ」と地域官の言う「わざわざ」の意味、違いますよね??

「わざわざ」って本来良い意味で使いませんか?

この地域官は、嫌みたっぷりで、こう言ったんですよ。

わかりますか?陰険なこと。

というか、まだ交番に残っている私が、何故その話を知ったか、というと、その日の当直勤務が、私の後輩だったのですが、その後輩から聞いたのです。

今でも付き合いがある、いい後輩です。

後輩は疑問に思い、地域官に言った

後輩は、「雨の日にサボる警察官が多い中、真面目にパトロールして、何が悪いんですか?」

と言ってくれたそうです。

私は、もう泣きそうになりましたよ。ほんと。

悪いのは私なんですよ。雨が降っていたら長靴を履けば

少しは 違ったはずです。小雨だからと革靴で出かけたのが悪いんです。でも、彼は そう言ってくれたんです。

よーく言ってくれた

この地域官の口癖が

「よーく言ってくれた」

でした。

都合が悪くなると、こう言うんです。

てか、意味わかんねーと思いませんか?

よーく言ってくれたじゃねーよって。

おめーが何言ってんだか、わかんねーんだよ!って。

まあ 今となっては、それも どうでもいいんですけど

この後輩のしてくれた行動には、感謝しました。

そう思ってくれたということが、嬉しかったし、私の為に

上層部に言ってくれたということが、有難かったと思います。後輩とはいえ、もう今では友達みたいな感じです。

私もタメ口でいいからね、と言っていますしね。

そういう信頼できる警察官もいるんです。

そうじゃない ろくでもない警察官も本当多いですけどね。

まとめ

結局パワハラがパワハラを呼んで、ろくなことがない社会です。威張りたいだけの、人として頭の悪い警察官が多くいるのも事実。何度何人頭に来たか、わからないほど、多いです。でも、そんな中でも、信頼できる人として良い警察官も間違いなくいます。皆さんが、警察に関わることがあった時、頭の悪い警察官に当たらないことをお祈り致します。あまりに、酷かったら、担当を変えてほしいと、しっかり言ったほうが良いですよ。参考まで。

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