交番での当直勤務の日
それは、ある夏の日、当直勤務の日でした。
その当時、実習生20歳の女警さんと朝から当直勤務をしていました。夕方5時頃、110番で
「近所のおばあさんと連絡が取れない、安否確認 を願う」
との指令を受け、直ちに現場に向かいました。
その建物は、2階建てで、1階は店舗になっており、連絡がとれない、おばあさんは、2階に住んでいるということでした。玄関を開けようとしても、鍵が掛かっています。
ということは、中に居る可能性が高いと判断しました。
声を掛けても、返事は全くありません。玄関からは室内に入ることはできないので、仕方なく他の出入り口を探しました。建物外周を見てみましたが、出入り口はなし。
最後の手段、2階の窓から入るしかない。
そう判断し、近所からハシゴを借りて、窓から入ることにしました。
女警は室内に入るのを断った!
普通、2階に登るなんてことは、若い警察官が率先してやるものです。私も若い頃は、率先して
「自分が行きます!」
なんて、かっこつけて やったもんです。
が、今回も若手警察官である女警に、
「2階まで登れる?」
と聞いたところ、
「あー無理です!!」
との回答。
私は・・・えっ?無理って・・・いくら女の子でも・・警察官でしょ?と・・・思いましたが、仕方なく 私が登ることにしました。はぁ・・
いや、別に私が登ったって いいんですよ。できますから!実際やりましたから!でも、ちょっと納得できませんでした・・まあ、それは置いておいて。
ハシゴで2階に登る
ハシゴを掛けて、2階まで登りました。
カーテンも開いていて、中が見えました。テレビがついています。窓を開けると、鍵は掛かっていません。
私は、いよいよ、これはヤバイ状態だと確信しました。
室内に入ると、各部屋を 声を掛けながらそーっっと開け
ます。
「〇〇さーん、居ますかー」
居間、寝室、トイレには、誰も居ませんでした。
私が室内を検索している時、女警さんは、外に居たようですが、何をしていたのでしょう・・・わかりません。
室内の状況について、逐一無線で本署に報告します。
「現在、居間、寝室、トイレ検索するも、当事者発見に至らず。更に検索実施」
そんな感じです。
そして、最後の お風呂場がやってきました。
間違いなく、ここに居る、私は確信していました。
居なければいいのに・・・と、心のどこかで思っていました。
「〇〇さーん、居ますかー」
声を掛けながら 入口の扉を開けます。
お風呂場で発見!
扉を開けると、湯舟に お湯がない状態で、座った状態
の おばあさんを発見しました。
「風呂場において、発見!」
無線を入れました。しかし、全く動きません。
もう ダメだ・・・ 私は そう思ってしまいました。
不思議なことが・・・
今まで、いろいろな変死の現場に行きましたが、ご遺体
と目が合う、ということは、一度もありませんでした。
ところが、今回は、ずっと目があっているんです。
これほど怖いことはありませんよっ!!
背筋が ゾっとしました。
その状況を無線で本署に送りました。
その間も目はずっと合っているんです!
本当に怖かった。
が、一瞬、目が閉じたんです!!
「え??え??生きてるっ!?」
思わず言ってしまいました。
すると、おばあさんは、小さくうなずきました。
と、すると、おいおい!おれは風呂場に入れないじゃない
か!
生きている女性ですから!
直ちに玄関を開けて、外に居た女警を呼び、更に無線で
119番要請をし救助です。
まとめ
今回の、このおばあさんは、たいしたこともなく助かりまし
た。ほんと、良かったです。
しかし、目が合った時の怖さったら ありません。
本当に怖かった~・・・
すみません。ホラーじゃなかったですね。
これも 忘れられない事案の一つでした。
こんなことも、あるんだなと 改めて思ったものです。
信じるか信じないかは、あなた次第です!
警察ラインスタンプあります!
こんなのあります!
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